謎めく『VALU』が1年で26名の採用が出来たわけとは?
本日、インタビューを実施する株式会社VALUは、
『評価の基準を変え、お金の流れを変え、フェアな世界をつくる。』をMissionに掲げ、
個人価値をユーザー間で取引できるサービス『VALU』の開発・運営と、
飲食店の資金調達を円滑にするためのプラットフォーム『Fundish』の開発・運営を行なっています。
また、2019年1月に『総額5億円』の資金調達を実施し、正社員採用をさらに加速させています。
と、ここまで簡単に株式会社VALUのご紹介をしましたが、
『「VALU」は、自分の価値を発行し、ユーザー間で取引できるサービスです。』
…と説明されても…よく分からないと思います。
そして、このようなサービスが、なぜ誕生したのかも『謎』です。
この『謎』を解決するために、同社では『体験入社制度』や
『社内イベント(Paella Night、Thai Night)』、『インターネット上での会社紹介スライドの公開』を行っています。
その結果、1年で26名(正社員15名/業務委託11名)の採用を実現しています。
そんな謎めくVALUの採用について、人事部の石渡さま(写真左)、笛木さま(写真右)に詳しくお話しを伺いたいと思います。
企業情報
会社名
株式会社VALU
Mission
従業員数
26名(正社員)
設立
2016年12月
代表者名
代表取締役/CEO 小川晃平
会社HP
資本金
5億6950万円(資本準備金含む)
目次
▶ Paella Night、Thai Nightとは?
▶ 体験入社をはじめた理由
▶ 体験入社のスケジュールについて
▶ 1年で26名採用できた理由とは?
■Paella Night、Thai Nightとは?
・Paella Night
・Thai Night
― いきなりですが、Paella Night、Thai Nightとはなんでしょう?(笑)
石渡さん:
『VALUに興味を持っている方』や『社内メンバーのお友達』、『選考途中の方』など、社内外問わずコミュニケーションを図る場です。
毎回、全体で約20名前後の参加人数で、毎月第4木曜日19時から開催しています。
笛木さん:
当初は、社内外のメンバーとパエリアを囲む会、通称『Paella Night』という打ち出しで、しばらく開催をしていたのですが、
社内メンバーから『パエリアもう飽きた』という声がちらほら上がり、
石渡がタイが好きなので『じゃあ、タイ料理にする?』ということで、
試しに先月からタイ料理を囲む会『Thai Night』を開催しています。
今月はVALUのユーザーさんから案をいただき、
『たこ焼き焼かNight』を開催予定です。
多分、テーマは毎月変わると思います(笑)
― なぜ、このようなイベントを行っているのですか?
石渡さん:
まだまだ謎めいた株式会社VALUについて気軽に知ってもらう為です。
VALUがどういったサービスなのか、どんな雰囲気の会社なのか。
私も入社前に、同様のイベントに参加して会社の雰囲気をとても体感することができました。
笛木さん:
リファラル採用にも力を入れており、VALUでは暗号通貨のマイニングのように、
『ともだちマイニング』と呼んでいて、イベントには社内メンバーの『ともだち』を招待しています。
社内メンバーのともだちの方であっても、いきなり選考に進むより、
まずは気軽にイベントに参加いただいてから選考に進むかを考えてもらう方が良いと考えています。
― 当日のイベントでは、なにをするのでしょうか?
石渡さん:
みんなで食事を食べ、お酒を飲むだけです(笑)
まだ、VALUは小さな会社なので、社内にイベントスペースみたいな空間はないです。
なので、執務室内で立ったまま食べて飲んだりをしていますね…(笑)
― そうなのですね(笑)。
笛木さん:
ゲストには手狭で申し訳ないですが、みんながフランクに素直に話をしていて、
VALUの素の姿が見えます。もちろん代表の小川も参加しており気軽に話すことができます。
あまりにも代表が自然にいるので、参加した方は結構驚かれますけどね(笑)
石渡さん:
小川は、独立前に大手ゲーム企業で働いていた頃はクレジットカードをつくることや、
家を借りることにも苦労しなかったのに、独立後は賃貸の入居審査は通らず、
クレジットカードの限度額も下がった、ということを体験しています。
このような小川の実体験からVALUは誕生しており、そういった話も生で聞くことができます。
また、最近の会では少しずつイベント内でのコンテンツにも力を入れ始めています。
参加した方とラフにお話しすることは大前提ですが、社内メンバーのLT大会や、
その時のテーマにあった音楽を流すなど少しずつ盛り上がる仕掛けを考えています。
選考中の方で、VALUに入るか他社にいくか悩んでいたけれど、
一緒に食事をしてメンバーや代表と話すことにより、
VALUが良いなと思って入社を決意していただいたこともあります。
少しずつですが社内メンバーの参加者も増え始め、
イベントの手応えとしてはちょうど感じ始めてきた頃ですね。
― 求職者の方が会社の素を見られる機会をつくることって貴重ですね。ちなみに、中途採用において大切にしていることはなんでしょうか?
笛木さん:
入社後のギャップをなるべくなくすことです。
『Paella Night』や『Thai Night』は、
気軽にVALUについて知ってもらうという目的もありますが、
選考中の方にもご参加いただき、会社の雰囲気を体感してもらい、入社後のギャップをなくす目的もあります。
何より、先ほど石渡からも説明があったように今はまだ執務室内で開催しているので、
ここで働くのか〜というイメージは他社イベントより湧きやすいかと思います。
また、入社後のギャップをなくす目的では、体験入社制度も実施しています。
■体験入社をはじめた理由
― 入社後のギャップをなくすために、体験入社をはじめた理由をお伺いできましょうか?
笛木さん:
VPoE(Vice President of Engineering)が、書類や面接だけでは、入社後の働くイメージが
お互いに持ちにくいし、候補者の方の本当の能力は分からないと考えていました。
それを体験入社で解決したいという理由で始まっています。
― 体験入社では、どのようなことを確かめている、または確かめてもらっているのですか?
笛木さん:
主に技術力と、開発メンバーとのカルチャーフィットを相互に確かめています。
石渡さん:
体験入社では候補者の方も、
求人情報に記載してある内容以外のことが良くも悪くも分かると思います。
例えばVALUはコアタイム12時 – 16時のフレックスタイム制を導入しているのですが、
『その制度は本当に使われているのかな?』という懸念であったり、
『実際の業務中はどんな雰囲気で皆、作業しているのか?』、
『静かなのか、うるさいのか?』、『イヤホンをつけて作業してもいいのか?』であったり、
さらには『社内メンバーとのコミュニケーションの取り方はどうなっているのか?『チャット?対面?』などなど、
あげればキリがないですが、働く上では、
面接時には気づかないような些細な点や雰囲気が実は大事になってきたりするものですよね。
そういった側面を候補者の方に知ってもらうことも大事な位置付けの1つとして捉えています。
― カルチャーフィットを確かめていると思うのですが、VALUさんのカルチャーってどんな感じですか?
石渡さん:
VALUのカルチャーとしては、
『とにかく良いものを世の中に出したい』という文化が根付いています。
例えば、エンジニアがデザインに対してフィードバックをしたり、
僕たちが書いているインタビュー記事などに色々なメンバーがアドバイスをしてくれたり、
『Paella Night、Thai Night』のアイキャッチも進んでデザイナーが作ってくれました。
VALUでは平均年齢が33歳と、他スタートアップより高く、
メンバーそれぞれ、各々の得意分野でのスペシャリストです。
それでありながら、得意な分野だけに仕事を限定せず、
職種の垣根を越えてフィードバックしあい、みんなで良いものをつくろうとする姿勢は初めて経験しました。
とっても良いカルチャーだと思っています。
― 良いカルチャーですね!体験入社では、そういったカルチャーが確かめられると思いますが、体験入社のスケジュール例を教えていただけますか?
笛木さん:
はい、体験入社は基本2日間で行っています。ただし、候補者の方のご都合に合わせて、
1日のみで調整することも可能です。
また、体験入社は必ず実施するのではなく、ご希望に合わせて実施しています。
■体験入社のスケジュールについて
【エンジニア体験入社のスケジュール例】
〈1日目〉
10:00〜11:00 オリエンテーションおよびタスク共有
11:00〜12:00 開発環境構築
12:00〜12:15 開発チームのスタンドアップミーティング参加
お昼休憩 社内メンバーとランチ
14:00〜19:00 開発業務
〈2日目〉
10:00〜12:00 開発業務
12:00〜12:15 開発チームのスタンドアップミーティング参加
お昼休憩 社内メンバーとランチ
14:00〜18:30 開発業務
18:30〜19:00 振り返りミーティング
【実際に体験入社を実施して、入社したエンジニアの声】
・VALU LTD.BLOG
「社員インタビュー①(前編) 「私は就業体験で職場環境をみて入社を決めました」
「私は就業体験で職場環境をみて入社を決めました」
新卒で大手電機メーカーに入社。カーナビゲーションのアプリ開発・組み込みエンジニアを担当。その後、ベンチャー企業に転職。SNSアプリ開発など担当。2019年6月より株式会社VALUに入社。
― 面接後に就業体験に参加されましたがいかがでしたか?
技術レベルの高さには驚きました。就業体験ではAndroidのアプリ開発を2日間担当しました。
アーキテクチャやコードのレベルが非常に高く、僕自身は2日間ではついていくのもやっとでした。
ただ、やはり就業体験をしなければ技術のレベルとか、実情がわからなかったので、それがわかったのは大きかったですね。
― スケジュール例と実際に体験入社を実施して、入社したエンジニアさんの声をありがとうございます!体験入社、結構、がっつりやるんですね!
笛木さん:
実際に働いた際にギャップが生まれない目的で行っているため、
体験入社では、入社して働く際とほぼ同じ内容を行っています。
そのため、しっかりと報酬もお支払いし、開発業務にも携わってもらいます。
― 開発チームのメンバーへの負担も大きいのではないですか?
石渡さん:
正直、現場も忙しいので負担はあると思います。
けれども、体験入社に積極的に携ってくれるのは、
『とにかく良いものを世の中に出したいと考えている人を採用したい』という想いが強く、
採用に対して前向きだからだと思います。
■1年で26名採用できた理由とは?
― メンバーの方も採用に対して主体的に携わっているのですね!それが、約1年で26名採用を実現できた要因になったのでしょうか?
石渡さん:
それはおおいにあると思います。
『自分の業務が忙しいので採用は人事だけでやってくれ』というのがよくある会社だと思います。
ただ、VALUの場合は、採用関連のタスクをメンバーにお願いしても、
嫌な顔をせず、むしろ+αで対応してくれる事がほとんどです。
VALUに興味を持ってくれている候補者の方はみんなで口説くし、
スカウトメッセージを送る時は、
候補者の方にこちらの想いや惹かれたポイントが伝わるようなスカウトメッセージも一緒に考える。
人事としては、採用が成功しそうな仕組みや施策を考えて、
社内メンバーが運用できるようにレールに乗せることを常に意識しています。
だからこそ、エンジニア採用が難しいと言われている時代で、
これだけの採用が出来ているという結果につながっていると思います。
いつも採用に手伝ってくれるメンバーには本当に感謝です!
あとはもう1つ採用が出来ている理由を挙げるとすれば、
『謎』という会社のイメージをあえて利用したことも採用効果の一因だと思っています。
― 採用において『謎な会社』はマイナスイメージだと思いますが、イメージをあえて利用したとはどういうことですか!?(笑)
石渡さん:
僕も最初はマイナスイメージだと思っていました。
入社直後はどうしたら『謎』のイメージが払拭出来るかを常々考えていましたね。
でも、今は一切考えていません。
『VALU』は自分の価値を取引できるサービスです。
と言われても、よく分からないし、どんな人がなんでそんなサービスを作っているかも分からない。
それに加えてサービスリリース直後の大きな騒動もあり、
多分、候補者の方から見たら名前こそ知っている一方でだいぶ『謎』な会社だと思うんですよね。
そこでむしろ、『謎』というイメージを自分たちの武器に変えて、
まずは、求人の募集タイトルで『謎めくVALU社に足を踏み入れてみませんか??』
とタイトルに、敢えて謎を付けてみたり、募集求人のアイキャッチでは、
会社の雰囲気が分からないけどちゃんとインパクトがあるようなものにしてみたりして興味を惹くように工夫しています。
― マイナスイメージを逆手に取ったということですか?
石渡さん:
そうですね、ただ、それだけだと何をしているか全く分からない会社になってしまうので、
『謎』の答えが分かる機会として、
『Paella Night』や『Thai Night』を月に一度実施したり、
『体験入社』をご希望する方には実際に働いてもらったり、Web上で『会社紹介スライド』を公開したりしています。
『VALUってよく分からないし謎だから、選考を受けるのは辞めよう』ではなく、
『VALUってよく分からないし謎だけど、それについて知れる’’面白い機会’’があるから、まず行ってみよう』
という流れをつくることが大切だと思っています。
― たしかに、『謎』って主張されたらどうしても気になってしまいますよね。ちなみに現在、従業員数は何名でしたっけ?
石渡さん:
現在は26名です。2019年から本格的に正社員の採用を開始させ、
今年はすでに正社員15名、業務委託11名の方を採用させていただいております。
― 短期間ですごいですね!今後の採用課題はなんでしょうか?
笛木さん:
急激に人数が増えたこともあり、
今後の採用では『VALUのミッションへの共感』、『カルチャーフィット』など、
完璧にマッチした人はいないと思いつつ、
可能な限りマッチしている候補者の方と一緒に働きたいと思っています。
その為にも、今後も社内イベント(Paella Night、Thai Night)や、
体験入社を継続して、謎めくVALUを多くの人に知ってほしいと思っています。
― 最後に、VALUさんに興味を持っていただいている方へ、メッセージをお願いできますでしょうか?
石渡・笛木さん:
少しでもVALUへの興味を感じている方は、社内イベントに参加いただけると嬉しいです!
メンバーと交流して会社の雰囲気や、どんなサービスなのかを体感いただけると思います。
選考が進んだ方は、体験入社で業務体験もできるので、
ぜひご興味お持ちいただけた方はお待ちしています!
また、会社紹介資料もネット上に公開していますので、
この機会に良かったら会社紹介資料もご覧ください!
― 石渡さん、笛木さん、本日はありがとうございました!!
■取材後記
今回、VALUさんの取材で感じたのは、『面接』という採用手法の限界です。
もし、VALUさんが『社内イベント(Paella Night、Thai Night)』や『体験入社』をやっていなかったら、
1年で26名の採用を実現できていたのかと考えました。
通常の採用選考は、『面接』→『採用』ですが、
VALUさんの場合、『興味を持ってもらうきっかけをつくる(社内イベントを開催する)』
→『一緒に働くメンバー、会社の雰囲気を体感してもらう(社内イベントで体感してもう)』
→『面接』
→『体験入社で業務体験してもらう』
→『採用』でした。
これにより、通常の採用選考よりも多くの方とお会いでき、
候補者が他社選考と悩んでいる場合、内定承諾率を高められています。
『面接』以外で、メンバーや会社の雰囲気、業務内容を体感できる機会をつくることは、
求職者の立場に立った採用選考であると感じました。
良いサービスをつくるには、ユーザーの立場に立ってサービスを開発することだと思います。
良い人材を採用するには、どうでしょうか?
私たちは、求職者の立場に立って採用選考を行うことだと考えています。
良い人材の採用競争が激しくなっていく中、企業都合の採用選考ではなく、
求職者の立場に立った採用選考が、これからさらに大切になるのではないでしょうか。
体験入社事務局
~いい企業を増やし、適職に巡り合い、仕事の喜びを感じる人を増やす~
(取材・撮影/体験入社事務局 取材チーム)