キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法

キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法

こんにちは、体験入社事務局です。
「キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法」をご覧いただきありがとうございます。

前回の「今後『キャリアの一貫性』が重要になる理由」では、雇用制度改革、リモートワーク・AIの活用が進む中、仕事を通じて幸せになるためには、専門スキルを高めることの重要性を紹介させていただきました。

今後、専門スキルが不足していると、仕事を通じて幸せになることが難しくなります。
しかし、幸いなことに専門スキルを高める方法と理論は、心理学研究により明らかになっています。

20・30代の方でしたら、これから約40年間は働き続けます。約40年間のキャリアを充実させるために、今回は「キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法」を紹介いたします。

目次

▶ そもそも、専門スキルとは?

▶ キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法

■そもそも、専門スキルとは?

■専門スキルの定義

専門スキルの定義は、どのレベルだったら専門スキルと言えるのかを踏まえ、次の通り定義いたしました。

・専門スキルの定義

【1】今の会社だけではなく、他の会社でも必要とされるスキルレベル

【2】同じ職種の人と比較し、高い成果を創出できるスキルレベル

【3】スキルを高めるために、約5千〜1万時間を使用している

それでは、各項目の確認方法を紹介いたします。

【1】今の会社だけではなく、他の会社でも必要とされるスキルレベル

転職市場に身を置くことで確認できます。内定が出るのか、内定が出た場合は今の年収より上がるのかを確かめます。内定が出て今の年収より上がる場合は、今の会社だけではなく、他の会社でも必要とされるスキルレベルであると考えられます。

【2】同じ職種の人と比較し、高い成果を創出できるスキルレベル

社内の同じ職種の人と比較してみることです。他の会社の同じ職種の人と比較は、直接的には難しいのですが、「【1】」の確認方法で間接的に比較できます。

【3】スキルを高めるために、約5千〜1万時間を使用している

実際に使用している時間を明確にすることです。スキルを高めるために使用する時間は、専門スキルを高める上で重要な要素になるので、後ほど詳しく説明をいたします。

■これから必要とされる専門スキル

第4次産業革命、マーケットの変化を踏まえると、今後必要とされる専門スキルを見極める必要があります。

AIによる技術革新については、野村総合研究所が行った、英オックスフォード大学マイケル A. オズボーン准教授、カール・ベネ ディクト・フレイ博士との共同研究によると、5~15年後に、日本の労働人口の約49%が就いてる職業が人工知能やロボットなどで代替可能であるとの結果が出ています。

AIにより、人間の手で行っていた業務が自動化されることで、AIにはできず人間にしかできない業務・スキルの価値が高まります。

※引用元:野村総合研究所「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」

専門スキルを高めようと考えている職務が5〜15年後にどうなっているか、しっかり考えた上で専門スキルを高める職務を決める必要があります。

■キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法

■キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法

それでは、キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法を紹介したいと思います。

■キャリアの一貫性について

・キャリアの一貫性とは「職業・職務経歴が同じ方針・考えにより形成されている」という意味

・キャリアの一貫性を創造するには、キャリアにおける「自分のブレない方針や考え」を決めること

・キャリアにおける「自分のブレない方針や考え」を決めるためには、キャリアの目的(仕事人生の目的)を決めること

さらに詳しい内容は、前回の「今後『キャリアの一貫性』が重要になる理由」にてご確認いただけます。

■専門スキルを高める方法

専門スキルを高めるために、一番重要なことがあります。

なんだと思いますか?

「好きなこと」「楽しいこと」を仕事にすることではありません。

答えは、スキルを高めるために「膨大な時間を費やす」ことです。

これは、各専門分野のトッププレーヤーの能力を科学的に研究している、フロリダ州立大学心理学部教授のアンダース・エリクソン氏の研究結果より、明らかになっています。

・研究結果概要

【1】能力の差は練習時間の差
・天才の練習時間は抜きん出ている
・少ない練習時間で高い能力を獲得できた天才は1人もいない
・生まれつきの才能を証明するものはない、生まれた後の練習が才能を生み出す
・練習時間の差が能力の差に直結しており、人より優れた能力を得るためには人より多くの練習を積むしかない

【2】ただ練習するだけでは能力は向上しない、正しい努力が必要
・具体的な目標を設定する
・現在の能力をわずかに上回る課題に挑戦する
・他の人によって明らかになった効果的な練習方法を実施する
・ロールモデルを決め、成果の要因を分析し真似をする

※参照元:「超一流になるのは才能か努力か?」著者:アンダース・エリクソン、ロバート・プール

研究結果から考えると、専門スキルを高めるためには「正しい努力に膨大な時間を費やす」ことが重要です。

膨大な時間の目安としては、専門スキルの定義の「【3】」でもお伝えした約5千〜1万時間が目安になります。

Forbes 2020年版、日本長者番付1位のファーストリテイリング会長兼社長の柳生氏も「どんな仕事でもスキルをつけるには、毎日寝る暇を惜しんでも10年ぐらいはかかる。それでも、一番早くスキルがつく方法は自分で事業をすることだ。わからないことがあれば、事業をやっている人に聞いたらいい。」と述べています。

ここで大切のポイントがあります。

「正しい努力に膨大な時間を費やす」ことを、どのように継続するかです。
理論は分かっていても、これを継続することが難しいのが人間の性です。

・「正しい努力に膨大な時間を費やす」ことを継続するには?

アンダース・エリクソン氏の研究結果によると、各専門分野のトッププレーヤーの中に「練習が楽しい」と答えた人は1人もおらず「楽しさ」が継続の要因ではありませんでした。

それでは、継続の有効要因はなんでしょうか?

それは、「完全集中する時間帯を毎日確保する」という習慣です。

継続を邪魔する誘惑は常に発生します。完全集中する時間帯は、誘惑を一切排除し集中します。

完全集中する時間帯を毎日続けると、それが習慣であり、義務であるという意識が生まれ、誘惑にかられるリスクが抑えられることが研究結果により証明されています。

そして、この習慣によりスキルが向上してくると、人から褒められたり、自己成長を実感できるようになり、承認欲求が満たされます。これも継続の有効要因になり、いいスパイラルになります。

「好きなこと」「楽しいこと」を仕事にしよう!という言葉を聞くことがあります。
しかし、「好きなこと」「楽しいこと」を基準に仕事をしているうちは、ほどほどのスキルは身につくかもしれませんが、高い専門スキルを身につけることは難しい可能性が高いです。

これは、研究結果からも明らかになっており、各専門分野のトッププレーヤーは「スキルを向上させるのは大変であり、そのために必要な活動を決して楽しいと感じていない」という考えを持っています。

高い専門スキルを身につけるには「好き・楽しい」というモチベーションより、「自分にとってスキルを向上させることが必要不可欠である」というモチベーションが必要であることが証明されています。

■キャリアの一貫性により、専門スキルを高めるには?

・今までの「まとめ」

・専門スキルを高めるには「正しい努力に膨大な時間を費やす」ことが重要

・「正しい努力に膨大な時間を費やす」ことを継続するためには、「完全集中する時間帯を毎日確保する」という習慣が重要

・高い専門スキルを身につけるには「好き・楽しい」というモチベーションより、「自分にとってスキルを向上させることが必要不可欠である」というモチベーションが必要

・専門スキルを高めるために、まずやるべきこと

まずやるべきことは、「何に膨大な時間を費やすか」を決意することです。

そして、その決意が「自分の人生に必要不可欠である」という、強いモチベーションが必要です。

正しい決意をするためには、キャリアの目的(仕事人生の目的)が欠かせません。

高い専門スキルを身につけるためには、約5千〜1万時間(1日3時間で4年半〜9年間)が必要です。

コロコロ考えが変わると、一生、専門スキルを身につけることが難しくなります。そのため、ブレないキャリアの目的(仕事人生の目的)を軸に「何に膨大な時間を費やすか」を決意する必要があります。

■キャリアの目的(仕事人生の目的)の決め方

キャリアの目的(仕事人生の目的)の決め方は、次回の記事で紹介させていただきます(次回記事はこちらより)。

■最後に

「キャリアの一貫性により、専門スキルを高める方法」を最後までご覧いただきありがとうございます。

これからの時代、仕事を通じて幸せになるためには、専門スキルを高めることが必要です。

しかし、幸いなことに専門スキルを高める方法と理論は、心理学研究により明らかになっており、今回はそれを紹介させていただきました。

つまり、自分自身の努力で専門スキルは高めることができます。

次回は、自分自身の努力で専門スキルは高めるために、まずやるべき「キャリアの目的(仕事人生の目的)の決め方」について、人間性心理学の第一人者、マズロー氏の「欲求5段階説」をもとに紹介させていただきます(次回記事はこちらより)。

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